在留資格「経営・管理」の許可基準見直しについて(前半)
2025年10月16日から適用される、在留資格「経営・管理」の新しい許可基準についてまとめました。
先ずは入管庁の公表している表をご覧ください。
001448231.pdf

こちらにまとまっているのですが、それぞれ解説していきたいと思います。
〔前半〕
①資本金・出資総額
②経歴・学歴(経営者)
③雇用義務
〔後半〕
④日本語能力
⑤在留資格決定時における専門家の確認
⑥上記表にはないですが、「申請に関する取扱い」についても発表されています。
① 資本金・出資総額について
先ず見た目のインパクトが大きくて、皆さんここに注目しますね。確かに大きなインパクトであり、今回の基準引き上げの目玉のように扱われています。
こちら、入管庁のHPを見ると「資本金等」や「資本金・出資総額」のように「資本金」とは書いていません。
どうやら、これは「資本金」「資本準備金」「資本剰余金」の総額ということになりそうです。
とはいえ、3,000万円以上の出資が必要であることに変わりありませんので、
今後経営・管理の在留資格を検討されている方、
在留期間の更新を考えている方にとっては頭の痛い問題だと思います。
② 経歴・学歴(経営者)について
(a)「経営・管理経験3年以上」又は、(b)「経営管理若しくは経営する事業分野に関する修士相当以上の学位を取得していること」とあります。(a)の補足として、「経営・管理経験」には、
在留資格「特定活動」の“起業準備活動”を含むとしています。
◇先ずは(a)について
既に「経営・管理」の在留資格を取得して日本に在留している人については、施行日(2025年10月16日)から3年経過以降の在留期間更新申請については、
新しい許可基準を適用するとしており、逆に言うとそれまでは新しい基準ではなく、
資本金500万円をはじめとする旧基準で判断するということです。
日本で経営活動を行う外国籍の方の中には、大学を出ていない方も多くいらっしゃいます。
そういった方に、今から修士号以上を取得しろというのは酷な話です。
そのため、既に3年以上の経験がある人については、②の要件は免除しようという救済措置なのかなと思っています。
ただし、海外での経験を認めないとは書いていませんので、
「修士号」や「博士号」ではなく、海外における3年以上の経営経験を基に申請する場合、
実績とこれから日本で行う事業との関連性を丁寧に説明する必要があると思われます。
◇続いて(b)について
例えば、大学院の「経営学研究科」等を専攻し、「修士号」「博士号」を取得するか、会社の事業に直結する分野の研究科を専攻して「修士号」「博士号」を取得するというものです。
今まで学歴要件を求めていなかったところから、いきなりこの要件は大分厳しいという印象ですが、
(a)の要件で大分カバーされると思います。
③ 雇用義務について
「常勤職員の雇用」ですので、常勤性の証明として、社会保険の加入などもセットになってくると思います。また、この職員については日本人又は、日本人の配偶者等、永住者、永住者の配偶者等、
定住者といった「身分系」の在留資格を持っていることが必要です。
「技術・人文知識・国際業務」等のいわゆる就労系在留資格の人では、
雇用義務を満たすことになりませんので要注意です。
2025年11月27日 18:30